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「マイ・ブロークン・マリコ」のあらすじ
会社員・シイナには中学時代からの親友・マリコがいました。マリコはいわゆるメンヘラで、父親からの激しい虐待や恋人からのDVがもとで精神を病んでいます。
そんな心を壊してしまったマリコと、唯一親しくしていたのがシイナでした。
ある日シイナは出先の定食屋のテレビで、マリコが自宅マンションから飛び下り自殺したニュースを知ります。
先日マリコと会って遊んだばかりだったシイナは、それを知って呆然。
放心状態で定食屋を出たあとマリコの携帯にかけてみますが、彼女は出ません。
マリコの自殺が現実だと漸く受け入れたシイナは、アパートの部屋に帰り着くなり崩れ落ち、彼女の為にもっとできることがあったのではないかと自問します。
そしてシイナは父親からマリコの遺骨を奪い取る決意をします。マリコの父親は中学生の娘を奴隷のように虐げ、挙句レイプしたクズでした。
マリコの母親は彼女が幼い頃に家を出て行きましたが、娘の高校進学をきっかけに父親とやり直そうと戻ってきました。ですが父親がマリコを犯したせいで、完全に愛想を尽かしてしまったのです。
そんな父親のもとに自分の遺骨があるなど、マリコが望むはずもありません。
マリコの実家を訪れたシイナは部屋に殴り込み、怒り狂った父親から身を挺して遺骨を奪って逃走します。シイナがめざす先は、生前マリコと行こうと約束したまりがおか岬でした。
深夜バスに乗り込んで港町へ向かったシイナ。
旅の途中でマリコとの思い出の数々を回想します。
目的地に着いたシイナは、そこで強盗に財布をひったくられるトラブルに遭いますが、地元の青年・マキオに助けられました。
シイナは居酒屋にマリコの骨壺を持ちこみ、自分をおいて逝ってしまった親友を罵ります。
その後泥酔して岬のベンチで眠ったシイナはマリコの夢を見ます。
実はシイナは、自分に依存するマリコの事を面倒くさく思っていたのでした。マリコはシイナに執着するあまり、「友達じゃなくなったら死んでやる」とリストカットを見せ付けて脅します。
暴力的な父親に育てられたせいで自己肯定感を持てず、ろくでなしの恋人に食い物にされ続けたマリコ。
そんなマリコを鬱陶しがるのと同時に、大事に思っていたシイナ。
翌朝目覚めたシイナはマキオと再会、2人で立ち話をしていた所に中学生の女の子が泣きながら逃げてきます。彼女は痴漢に襲われていたのでした。
必死に逃げる少女の姿を救えなかったマリコと重ねたシイナは、マリコの骨壺で痴漢をぶん殴ります。
結果マリコの骨壺は割れ、遺骨はきらきら光りながら海へ落ちていきました…
登場人物の紹介
シイナ
本名シイノトモヨ。本作の主人公です。中学時代からマリコの親友でした。ガサツで男勝りな性格で、マリコに振り回されていました。
マリコ
本名イカガワマリコ。幼少時から父親に激しい虐待を受け続けた結果、心を病んでしまった薄幸の女性です。リストカットを繰り返しDV彼氏に虐げられ、その都度シイナに助けられています。本作では既に故人であり、シイナの回想の中にのみ登場します。
マキオ
シイナが旅先で出会う青年です。恋人を自殺で亡くした過去があります。
マリコの父親
幼少時からマリコを虐待し、彼女の処女を奪いました。娘の死にうちのめされている描写があります。
タムラキョウコ
マリコの義母で現在マリコの父親と暮らしています。常識的な性格で、マリコの父親を説教しています。
「マイ・ブロークン・マリコ」を読んだ感想
「マイ・ブロークン・マリコ」はSNSで話題になった漫画です。2021年度「このマンガがすごい！」女性部門の第4位に輝きました。自殺した親友の遺骨とともに旅に出る女性に焦点をあてており、シリアスなテーマを扱いながら、疾走感あふれる展開が支持されました。
マリコとシイナの友情は共依存ともとれますが、2人が本当に互いを思い合っていたとわかる描写がちりばめられ、ラストシーンは胸を熱くします。キャラクターの表情がひりひりするほど生々しく、特に泣き顔の表現が素晴らしいです。
まとめ
以上、「マイ・ブロークン・マリコ」を紹介しました。単行本は1巻完結済みなので読みやすいです。話自体は短いですが綺麗にまとまっており、しみじみ余韻が残ります。女同士の究極の友情を描いた漫画なので、気になる方はぜひ読んでみてください。
