【本好きの下剋上】マインが目的達成のために実践する3つのメソッド

  • 2021年3月18日
  • 2021年3月17日
  • アニメ
「本好きの下剋上」は、小説投稿サイト「小説家になろう」において2013年9月から2017年3月にかけて連載されていたweb小説。
その後書籍化、漫画化、アニメ化に加えドラマCDや有名メーカーとのコラボ商品制作など、盛んにメディアミックス化されている。
TVアニメは2019年10月に第一部が、2020年4月に第二部が放映され、現在第三部の制作が決定されている。
正式名称は「本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?」だが、以下「本好き」と略す。
今回は「本好き」の主人公マインから学ぶ仕事メソッドをお届けしたいと思う。

TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイト

一刻も早く本を読むため奮闘するマインの「円滑なお仕事メソッド」

”出典:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイトⒸ http://booklove-anime.jp/ ”

物語の主人公・マインは「本を読みたい」が原動力の虚弱な少女。
その中身は現代日本から転生した新卒一歩手前の本が大好きな女性なのだが、転生した世界・エーレンフェストは本が気軽に手に入る環境ではなかった。

そこでマインは「ないなら作ればいいじゃない!」を合言葉に、日々、なるべく早く本を作ってたくさん読んでやろうと奮闘している。

早く出来れば出来るほど本を読む時間は増えるので、マインは自ずと効率的な仕事の進め方を実践している。
これが非常に今を生きる私たちにも参考になるのだ。
自分ひとりの力では目的を遂行できないことをよく思い知っているマインは、本作りの過程で人心掌握のスキルをどんどん伸ばしてゆく。

そして事業が拡大するにつれ課題となるのは時間管理。ますます急務となる効率化。
そうした課題を華麗に片付けてゆく「マインの円滑なお仕事メソッド」を3つご紹介したい。

マインの円滑なお仕事メソッドその1:交渉術

”出典:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイトⒸ http://booklove-anime.jp/ ”

虚弱な少女マインが本を作るためには、体力も資金も物資もなにもかも足りない。
そのため、マインが心行くまで本を読める環境を実現するにはたくさんの人の協力が欠かせない。

マインが本を作る過程で最初に大きな協力者となるのは、街の商人だ。
利に敏い商人は、味方にするのは至難の業だが、一旦自分サイドに引き入れられればとても心強い存在だ。
資金繰り、物資の融通に加え、商人の情報網は強い武器になる。

そして、マインの住む世界・エーレンフェストは、貴族と平民の区別が明確になされる階級社会だ。
もちろん貴族と平民では貴族の方が裕福なので、商売をする上でお貴族様の顔色伺いは必要になってくる。
つまり、マインが接する商人の背後には貴族の存在が隠れているのだ。

しかもエーレンフェストでは希少な本は、庶民に普及する前に貴族から広まるだろうことは想像に難くない。
こうした状況の中でマインは、商人とのやり取りを通して貴族が支配する階級社会でも通用する交渉術を身に付けていく。

初めは相手の言葉を鵜呑みにしたり自分の望みや出せる手札を素直に相手に見せたりしてしまっていたマインだが、次第に言葉に隠された意味を探ることや駆け引きの仕方を覚えていく。
相手の言葉の真意や相手の欲する条件を探ることができるかどうか自体で、こちらの力量を試されていることもしばしばある。

この傾向は平民から貴族になるとさらに顕著で、腹の探り合いが常とされる社会がそこにはある。
一見、身分社会ならではの様相に見えるが、こうしたことは現代でも見られるものだ。
会社や学校で、相手の本心が見えず手探りでコミュニケーションを図った経験が誰しもあるだろう。
こうした局面で、マインの交渉術を思い出していただきたい。

・相手の欲する条件と自分の譲歩できる領域が噛み合うところを探すこと。
・相手の出方や物事の進捗によって落としどころを3パターンくらい考えておくこと。
・そして、切り札を持っておくこと。

マインはこうした交渉術を駆使して、シビアな商人を味方につけ、その背後にある貴族たちとも渡りをつけていく。

お互いの要求に幅を持たせておくと心に余裕が生まれるし、どこに交渉が着地しても不満を抱えにくい。
そして手札は最初から全て明るみに出すのではなく、切り札となる情報を普段は隠しておき、いざというときに出すことで大きな効果を発揮する。

こうした手法で情報戦を制し、大人とも対等に渡り合うマインを見ているとスカッとする。
見た目から幼女だと侮られることも多いが、それを逆手にとった交渉もだんだん上手くなっていく。

こうして勝ち得た円滑なコミュニケーションは効率化にも役立つし、なにより気分がいい!
ほうほう、と思わずうなずきながら見てしまうマインの交渉術。
ぜひあなたにも自分の目で確かめてみていただきたい。

マインの円滑なお仕事メソッドその2:根回し

”出典:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイトⒸ http://booklove-anime.jp/ ”

さて、実際に相手と向き合うときに発揮する交渉能力も大切だが、円滑に仕事を進めるには根回しが非常に重要だ。

事前準備、段取り、根回し。

こうした言葉は現代社会においてもよく耳にするが、特に貴族社会には敵対勢力というものが存在する。
いかに自分の陣営が有利となるように事を運ぶかがものを言うのだ。

そして敵対勢力に利を取られないようにするには、情報収集と、その情報に基づいた戦略が肝要だ。
マインは、エーレンフェストの富豪や貴族が好むものを考えて事前に準備しておくことで、いざというときに備えている。

例えば、元いた現代社会にしかないレシピやお菓子がそうだ。
クレープやコンソメスープといったメニューは、私たちにとっては普段から食べている特段珍しくもないものだが、エーレンフェストでは真新しい発想の産物として受け入れられる。
そう、マインが生きているのは倫理観や価値観の異なる世界なのだ。

そこで自分の望みを叶えるためには、まず周りの人間が欲しがるものを想定して、懐に入れてもらえる準備をしておくことが重要になる。

また、子供らしからぬ言動のマインの周囲には大人の存在が目立つが、もちろん子供社会においても一定の立ち位置を確保しなければ現実は立ち行かない。
大人と子供、両方の社会に対するマインの段取り力はぜひ見習いたいものだ。

マインの円滑なお仕事メソッドその3:時間管理

”出典:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイトⒸ http://booklove-anime.jp/ ”

お仕事メソッドその2としてご紹介した根回しを実行するには、スケジューリングが大切だ。
紙が貴重なエーレンフェストでは予定の管理も一苦労である。

マインは自分で紙を作るようになってメモ帳らしきものを使えるようになったが、マインがあの世界に行くまで、人々はメモ帳がない状態で予定を管理していたのである。
さらに言えば、個人で持つ時計やカレンダーなんてものもエーレンフェストには存在しないようだ。

ただし、時を知らせる鐘が街に鳴り響くため、人々はその鐘の音を頼りに時間を把握している。
早朝に鳴る一の鐘から始まり、二の鐘、三の鐘と、おおむね1~2時間おきくらいに鐘が時を告げる。
物語の進行に伴って生活スタイルも変遷していくマインだが、この時の表し方はずっと変わらない。

ここでマインたちの生活を少し具体的に見てみよう。
最初期は電灯などない生活なので陽が出ている間しか活動できない。
物語が進むと、二の鐘で仕事が始まり、三の鐘で別の仕事をし、四の鐘で昼食を摂る人々の描写が見られるようになる。

人によっては二の鐘から四の鐘まで同じ作業を続けるようだが、いずれにせよ始業から昼食までの中間ポイントが把握できる生活スタイルになっている。
この、鐘の音で作業を分ける、というのが意外と私たちの参考になるのである。

学生の頃は時間割というものに従って行動していても、社会に出るとそれがなくなる。
会社では始業・昼休み・終業の時刻しか規定されていないことがほとんどで、10時や15時の休憩時間はあってないようなものとされているケースが大半だ。
この区切りがなくなることで、結構パフォーマンスというのは左右される。

人の集中力はそう長くは持続しないもので、たかだか1時間半が関の山、と耳にしたことがある。
しかし、社会に出れば時間割のような明確な区分はほぼなくなってしまうのだ。
ならば、マインお得意の「ないなら作ればいいじゃない!」である。
就業規則にないなら、自分で自分の時間割を作ってしまおうじゃないか。
1時間~1時間半を1コマとして、だいたい午前と午後を2~4コマずつに分けてみる。
そこに「やることリスト」を細分化して当てはめる。たったこれだけでオリジナル時間割が完成する。

最初は1時間で見込んでいた内容に対して時間の過不足が表れやすいが、次第に見積もりが正確になっていく。
そして体も慣れてくると、ちょうど1コマくらいで集中力が切れる自分に気付くようになる。
そこまでいったら、時間割制度導入前後のパフォーマンスを比較してみてほしい。
細かいステップや見込み時間の可視化って重要だなぁ、ときっと感じることだろう。
物資や技術の発展はまだまだ途上といえるマインの世界だが、どうやら生活スタイルは結構システマティックであるらしい。

ともあれ、マインは鐘の音で時間を区切って生活することで、多岐にわたるお仕事の根回しも着実にこなしているのだ。

自信を失うことなかれ

”出典:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイトⒸ http://booklove-anime.jp/ ”

こう読むとマインの事務処理能力には到底敵わないなぁ……とトホホな自分が目に付くが、案外悲観することはないものだ。

「本好き」は、現代社会に生きる私たちが学校で勉強だけを習ってきたのではないことにも気付かせてくれる。
マインが子供たちの動きをマネジメントするさまは単に時間割という考え方の導入だし、大人も驚く呑み込みの速さは知らず知らずのうちに培われた勉強慣れの賜物だ。

学校の勉強が得意だったかどうかに関わらず、意外と日本人は勉強すること自体に慣れているのだ。
エーレンフェストの子供たち、なんなら一部の大人も、学校というシステムに触れていないと小一時間座って話を聞くこと自体うまくできないものなのだということが物語の中で描かれている。

少なくともこの記事を最初から最後まで読めている時点で、識字率も集中力もエーレンフェストの民以上のものを持ち合わせているのだ。
悲観的にならず、マインの活躍を楽しみながら、盗める技術は盗んでいこうじゃないか。

まとめ

以上、本好きの下剋上から学ぶ仕事術でした。

以前、仕事に対する考え方や、やりたいこととやるべきことの折り合いのつけ方についての記事をお届けしましたが、今回はより具体的な仕事術に踏み込んでまとめてみました。

大人顔負けの交渉術や根回し、時間管理など、見た目幼女(中身は新卒?)のマインから学べることはたくさんありそうです。

「本好き」ワールドを楽しんでいるうちに処世術も身についていたら最高ですよね。
原作小説、アニメ、漫画と入口の広い「本好きの下剋上」。
ぜひお好きな形態でマインの物語を楽しんでみてください!

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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