おすすめ漫画【ミステリと言う勿れ】ミステリー漫画の傑作

  • 2021年1月21日
  • 2021年2月19日
  • 漫画

「BASARA」「7SEDDS」で有名な田村由美原作の「ミステリと言う勿れ」(ミステリというなかれ)。月刊フラワーズで連載中の大人気漫画の紹介です。

「ミステリと言う勿れ」のあらすじ

大学生の久能整はある事件の重要参考人として警察署に呼び出され、取り調べを受けます。刑事たちは被害者の寒河江と整が口論していた一件を取り上げ、彼が犯人ではないか追及しますが、整はこれを否定。理屈や蘊蓄を捏ね回し、刑事たちを煙に巻きます。

整の饒舌にひたすら圧倒される刑事たち。

洞察力に富む彼の言い分はよくよく考えると筋が通っており、それぞれ仕事やプライベート問題で悩んでいた刑事たちの目を開いていきました。
整への容疑は晴れませんが、刑事たちは次第に彼に一目置いていきます。
やがて整の指摘がきっかけで、警察署内に潜んだ意外な犯人の正体が明らかになります。

その後も巻き込まれ体質の整は、意図せず様々な事件に関与しては、犯人や関係者との対話を通して真相に迫っていくのでした。

登場人物の紹介

久能整
天然パーマが特徴的な大学生です。得意料理はカレーでよく作っていますが、事件に邪魔され食べそびれることもしばしば。一風変わった物の見方をしており、周辺人物に「僕思うんですけど」と前置きしてから自分の意見を述べる傾向があります。過去に親絡みのトラウマを抱えているのがほのめかされています。

犬堂我路
バスジャック事件で整と知り合った美青年。従兄弟にあたるオトヤとハヤの協力のもと、最愛の姉・愛珠の死の謎を追っていました。目的の為なら手段を選ばない非情さを秘めています。その後も整に関心を持ち、しばしばコンタクトをとってきます。整からも親近感を持たれています。

犬堂オトヤ
我路の従兄弟で協力者。ハヤの弟にあたります。喧嘩っ早くキレやすい性格で、見た目はもちろん能力的にも優れた我路とハヤに劣等感を持っていました。

犬堂ハヤ
我路の従兄弟でオトヤの兄。冷静沈着で寡黙な人物です。愛珠の片想いの相手でもありました。

乙部克憲
妻子持ちの巡査です。思春期の娘の扱いに手を焼いていましたが、整の助言によって自分の子育ては間違ってないと自信を持ちます。

風呂光聖子
巡査。捜査陣の中でただ1人女性であり、半人前のお茶汲みとしてこき使われていました。整の助言によって自分の存在意義に目覚めます。

池本優人
巡査。妊娠中の妻の扱いに困りあぐねてふと漏らしたところ、整の指摘を受けて反省。育児に積極的に携わるようになります。

青砥 成昭
巡査部長。過去の不祥事で所轄に左遷されてきました。整の助言によって捜査に対する考え方を改めます。

「ミステリと言う勿れ」を読んだ感想

「ミステリと言う勿れ」は「BASARA」「7SEEDS」など、数々のヒットを飛ばしたベテラン作家・田村由美の最新作です。主人公の整がひたすら喋り倒す話でもあり、彼の斬新な物の見方や指摘がしばしば事件解決の糸口になります。会話劇の要素が強く、キャラクター達のテンポよいかけあいを楽しみたい読者におすすめです。

巻が進むごとに一連の事件を計画した黒幕の輪郭が濃くなり、企みに満ちた構成に引き込まれました。

乗っ取られたバス車内や雪に降り込められた山荘など、ミステリーマニアにはたまらない密室劇にフォーカスしたロケーションが多く取り入れられているのも特徴です。

ミステリーとヒューマンドラマが融合したエピソードには哀しいものも含まれますが、時に道を間違えてしまった犯人の情状をも受け入れる、整の目線のおかげで救われています。

まとめ

以上、「ミステリと言う勿れ」をご紹介しました。タイトル通り、狭義のミステリーとしては首を傾げざる得ない部分もあります。なので広義のミステリーとして受け取れる方、トリックの整合性よりも犯人の動機、「何故?」「どうして?」が気になる方におすすめしたいです。整の過去と恩師の関係などまだ明かされていない設定も多く、単行本がでるのが待ち遠しいです。興味がでた方はぜひ読んでください。

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